N邸 庭つくり



 庭つくりには、はじめから全部つくってしまうのでなく、使いながら、ゆっくりじっくりとつくっていく・・・というやりかたもあります。

 そんな、のんびりとした庭つくりの例をご紹介します。


 はじめにお話をうかがったところ、主な要望は、
  ・メンテナンスの手間がなるべくかからないものがいい
  ・高齢者にやさしいつくりにしてほしい
 のふたつでした。

 これらに配慮し、2つのプラン(森の小道・・里山的プラン/広々とした公園的プラン)をお出しした結果、「広々とした公園的プラン」で庭つくりを進めることになりました。

(森の小道・・里山的プラン)  (広々とした公園的プラン)




← 採用されたプラン


 当初は、「花鳥風月を愛でる庭」という方向だったため、「庭の各所で四季折々の変化をみせる植栽設計」「鳥やチョウをよぶ工夫」などを考えていました。

 ・・・しかし、お客様は「ゆっくりと庭をつくっていきたい」という心情でしたので、内容をかえ、はじめはおおまかな形だけをつくり、植栽部分にはとりあえずクローバーをまき、何を植えるかはクローバーをながめながらゆっくり考える・・・ということになりました。



   (作業風景)  晴天にめぐまれ、工事は順調にすすみました



  (完成   入り口からのぞむ)    ( 〃  デッキからのぞむ)

 (一年後   入り口からのぞむ)    ( 〃  デッキからのぞむ)
 完成して一年がたち、クローバーが青々と広がっています。
 今後、植栽はどうなるのでしょうか・・・現在、そこかしこでクローバーの中から植えられた花たちが顔をだしています・・・これはこれでかわいいものです。

 私としては、里山の木を、ドングリからゆっくりと育てていったら面白いのでは・・・などと思っています。





←(アプローチ)

 門からのびた小道がゆるやかに奥へと続いていきます。

 なんとなく歩いてみたくなるような、楽しげな小道です。

 左側奥の中央広場部分とアプローチの小道には高低差がつくってあり、入り口にたつと、庭に立体的な広がりを感じます。



 ← 小道の脇にゴーヤーが植えられていました。
  樹木がなければツル植物で日陰をつくる・・・
  生活の知恵ですね。


 (ステップと小さな丸花壇)      (  〃  デッキからのぞむ)
 ステップは段差が小さく、幅が広いものになっています。手すりは握りやすいものを取り付けています。

 小さな丸花壇は奥の花壇とあいまって庭に華やかな広がりを感じさせてくれます。
 デッキから少しだけ頭を出した丸花壇はじつに愛らしく、デッキを歩くとき心がなごみます。





 花壇をしっかりと花で飾っていただいて、庭がかわいがってもらっているようで、つくり手としてはうれしいかぎりです。




 クローバーのおかげで除草がだいぶラクになっています。

 しかし、クローバーは地面をきれいに覆うには少し丈が高いので、見栄えのさわやかさを重視するなら他の植物(イワダレソウなど)がおすすめです。

 ・・・しかし、クローバーは窒素を固定し、地力を上げる効果があるので、今後、まわりに何かを植えるとき、丈夫に育てやすくなります。
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